こんにちは。テーラーズワールドの萱場です。

今回は、円安の中だからこそ日本国内の生地ブランドに関して改めて紹介したいと思います。

イタリアぽい艶やかやさ、英国っぽい打ち込みのしっかりした感じも良いと思いますが、日本の生地メーカーでも、最新の技術を使った生地など色々とございますので、ぜひこの機会にご検討下さい。

御幸毛織

公式ウェブサイト https://miyuki1905.com/

https://www.miyukikeori.co.jp/

愛知県に拠点を置く、生地メーカーです。1905年創業で、国内の服地メーカーではかなり老舗の部類に入ってくると思います。

生地だけでなく、紳士服の製造も行っており、既製服のブランドもあります。

また、四日市に自社工場があり、国産に拘ったラインナップを展開しており、地域に根ざした工場づくりも行っています。

詳しくは、以下の記事で紹介しています。

シリーズ構成の特徴としては、定番のバンチブックとしてTIMELESS CLASSICというシリーズを展開している他に、フォーマルシーンの着用を念頭においたフォーマルバンチや、シーズントレンドを取り入れたカラー展開や企画が魅力のシーズンバンチ等があります。

確かなクオリティーのTIMELESS CLASSICや、フォーマルバンチも魅力的ですが、毎シーズンのトレンドを反映しているシーズンバンチでは、ウールデニムや、キャバルリーツイル、チノといった少しカジュアル寄りのものから、ソラーロやモヘヤ等、艶やかな服地やドレッシーな服地が展開されており(CREATIVE LINEという総称)、毎シーズン見るのが楽しみです。

またシーズンバンチのCONFORT LINEというラインナップでは、ナチュラルストレッチでアクティブなビジネスマンの方や、フッ素化合物を使わない撥水加工を施したC-ZEROなど、機能面での服地開発も精力的です。

こちらは、御幸毛織のC-ZERO撥水に関する記事です。https://www.miyukikeori.co.jp/archive/czero/index.html

Webを通じた情報発信も精力的で、工場の魅力を伝えるヴァーチャル工場見学というコンテンツも作成しています。

https://miyuki1905.com/vr/

なお、御幸毛織の記事に関しては、APPARELXで販売しており、口座開設や、ノルマなどなくご購入いただく事が可能です。

https://www.apparelx.jp/search.php?maker=720

葛利毛織

公式インスタグラム https://www.instagram.com/kuzuri1912/

https://www.aichi-brand.jp/corporate/type/textile/kuzuri-keori.html

葛利毛織は愛知県一宮市にある服地メーカーです。

自社ウェブサイトを持たず、かろうじてInstagramがあり、その投稿の中で、在庫表などを投稿しているかなり硬派な印象を受けますが、自社ウェブサイトも持たないにも関わらず、ウェブで検索すると、多くのテーラー様が葛利毛織の服地を紹介しています。

葛利毛織の生地は、Dominx(ドミンクス)ブランドでバンチブックを展開しています。

ドミンクスの特徴は、ションヘル織機という低速織機を使い、人間の手を介し、味のある服地であるということです。

味と言っても抽象的な言葉でわかりにくいですが、ウール生地は、湿度などに寄り、水分を吸収したり放出したりします。また、天然繊維なので、糸の表情や断面図が全く同じということはありません。

その微妙な変化に対して低速で最適なコンディションを調整しながら、糸(生地)にストレスをかけずに織る事で、味のある生地を作り出しています。

味があるということは、端的に言えば均一でないということです。

この均一でいない味のある生地というのは、現代では大変貴重な付加価値となっており、多くの人から愛されています。

まさにフルハンドメイドのスーツにふさわしい生地と言えるのでは無いでしょうか。

織機の話が出たので余談ですが、愛知県名古屋市にあるトヨタ産業技術記念館は織機の歴史を学ぶのにおすすめです。

トヨタグループが設立した記念館なのですが、糸車による紡績から始まり、様々な織機の開発を見て、最後にエアジェット織機(もしかしたらウォータージェット織機かもしれません)を見たときは、科学の進歩に感動すら覚えるくらい見ごたえのある展示が並んでいます。実際に展示物が動いているので、なおさら凄さを感じられるとてもおもしろい博物館ですので、ご興味がある方はぜひ行ってみて下さい。

国島

公式ウェブサイト https://www.kunishima.co.jp/

https://www.kunishima.co.jp/products/

創業1850年の、毛織物の産地として有名な尾州産地の中でも最も古い歴史のある服地メーカーです。

2020年に中外国島株式会社から国島株式会社に社名を変更し、KUNISHIMAブランドの発信を行っています。

生地ブランドは主に3つあります。

The KUNISHIMA1850

もともと高密度の生地を得意としていた国島の定番コレクションです。

しなやかさと高いハリ感をを両立された生地が特徴的です。

また、ブランドカラーのネイビーにこだわりを持った服地コレクションです。

The J.SHEPERDS

日本の羊毛だけを使用した純国産のツイードコレクションです。

原料から日本産にこだわるところ、そしてカラー展開が自然の風景などからインスピレーションを受けている所が特徴です。

COBO

元々の伝統的な技術である木曽川の水を利用した高度な揉み洗いや、名古屋の伝統産業である有松鳴海絞りという染め技法などを取り入れ、尾州らしさを表現した服地コレクションです。

一般的な服地に比べると少しクセがあるますが、元々グローバル市場を念頭においたコレクションであり、海外のビッグメゾンとの取引実績もあります。

グローバル市場をメインターゲットにしているCOBOは、
ファッショントレンドと長年かけて築き上げたアーカイブとを
照らし合わせながら織った、他国では絶対に真似できない生地コレクションです。
国島が誇る高密度高規格をベースにしつつ、多くの協力工場とのコラボレーションや
独自の加工メソッドを経ることで生み出される私たちの生地は、
日本のスピリットを感じさせるユニークな風合いで、
多くの海外のお客様にご支持いただいております。
誇りを持って織り上げたCOBOの生地を、皆様の手で素敵な洋服にしていただくこと。
それこそが私たちの喜びなのです。

https://www.kunishima.co.jp/products/#cobo

最後に

最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございます。

昨今、派手なロゴやアイコンで、豊かさや経済力を誇示するのではなく、上質な素材や縫製、控えめなデザインの中に豊かさや贅沢さを感じる「クワイアットラグジュアリー」がファッションのトレンドでもあります。

イタリア服地ほど艶やかでもなく、イギリス服地ほどのバリエーションの豊かさは無いかもしれませんが、今一度日本の生地の魅力を感じてみてはいかがでしょうか?