こんにちは。TAILORS WORLD編集部の萱場です。

今回はコーデュロイ生地について解説致します。

名称に関して

コーデュロイ、コール天、これはどちらも同じ生地を指すことが多いです。

ジーンズとGパンの関係に似ています。

コール天という名前、不思議な名前をしておりますが、畝がある(corded<コーデッド>がなまってコール)、ベルベット(ビロード=天鵞絨(てんがじゅう)の天)が合わさって、畝があるビロード=コール天という名前になったというのが一般的な説のようです。

一方コーデュロイという名前は、この記事がフランスのルイ14世の戴冠式に献上されたことから、庭師の制服として採用され、そこからCorde du Roi(王様の畝)と名付けられたといわれます。※

※参考サイト https://www.fastretailing.com/jp/glossary/362.html

日本では、コール天は20世紀初頭から使用例があるようで、長く秋冬の定番生地として使用されています。

それは作りかたの特徴から保温性に優れているからなんです。

帽子やバッグなど、小物アイテムでも使われているのを見かけますね。

製造方法

コール天はパイル織物の一種です。

縦織りで、独特の畝が特徴です。

コール天はパイル織りした後、パイルをカットし水洗いをして畝を出して毛並みを作ります。

色はその後に染めたりして、結構手間がかかっています。

※こちらに福田織物様のコラム記事を紹介しますが、興味深いことに海外のコーデュロイと日本のコール天では、製造方法が違うようです。

上記で、解説しているのが日本のコール天の製造方法で、海外のコーデュロイは、一般的にパイルカット後の水洗いの工程が無いようです。のりが付いていたり、パイルをカットしたままの状態で染色するため仕上がりが固くなりがちなようです。

ただ、アパレル業界内で、どこまでこの区分が明確かは、不明な点も多いのでコーデュロイ=コール天でよろしいかと思います。

ちなみに、よく似ている物で別珍 (ベッチン) がありますが、織り方が違います。

ベッチンは横織りで、畝はありません。

更にベロアも似ていますが全く違うものです。ベロアは編み物です。

特徴

見た目の特徴は、畝の幅(ウェール幅)が違いによってだいぶ雰囲気が違ってきます。

また、パイルカットした生地独特の光沢感があります。

光沢感が強く畝の幅も細いものだとキレイめな印象になります。

畝が太くあまり光沢がないとよりカジュアル感が強くなります。

機能的特徴として保温性に優れていますが、それは生地を起毛させていて体温から出た熱を逃がしにくくしているためです。

まさに秋冬に適した生地だと言えます。

昨今の天候の様に寒くなってくると、コーデュロイ生地でのオーダーが増えてきます。

生地の方向について

コーデュロイには、毛並みがあり、方向性があります。

触ってスムーズに流れるのが順目で、逆に少し抵抗を感じる方向が逆目です。

裁断の際は、この方向を揃える必要がありますが、英国では順目(下方向に毛並みが流れる)、日本では逆目(上方向に毛並みが流れる)で裁断されることが多いようです。

終わりに

最後まで、お読みいただきありがとうございました。コーデュロイは、定番だからこそ、その素材一つで、シーズントレンドがあったりします。一昔前は、迫力のある極端な太畝が流行していたように思います。 いまは、そのようなトレンドは下火かもしれませんが、クラシック回帰と言うところで、どちらかというと太畝の方が人気がありそうですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。