TAILORS WORLD編集部のカヤバです。

今回はシャツのお話です。

テーラー様であれば、スーツの仕立てに加えて、オーダーシャツの注文を承っているお店も多いと思います。

テーラー様毎にそれぞれの特徴を表現する為のオーダーもあれば、スーツを引き立てる為の脇役に徹したオーダーも有り、オーダースーツご注文のお客様へのプレゼントとしてにおまけ的にオーダー頂く事もあるかと思います。

テーラー様のスタイルやポリシーがオーダースーツと同様に顕著に現れており、オーダーを頂きながら大変興味深いと感じております。

オーダーですのでお客様に喜んで頂ける様、お好みでオーダーして頂くの事が多いと思いますが、弊社では、新規参入のテーラー様もたくさんいらっしゃいますのでご参考になればと、脈々と受け継がれる洋装文化からクラシックのディテールの定義を簡単にご紹介させて頂きたいと思います。

現代は、カジュアル化も急速に進んでおり、クラシックという概念も薄れつつあり、現代社会に置いては通用しない部分も多いにありますが、ドレスシャツの原点としてのルールとなります。

シャツは肌着

出展:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF

歴史的にシャツの起源は、古代ローマで着用されていたチュニックといわれております。(上記画像)

私達が普段着用してるシャツは、ヨーロッパの中世では、衿・カフスが取外す事が出来、肌着の様な形をしていた様です。そこから進化し現代のドレスシャツとなっています。

つまり、本来シャツは肌着という位置づけになっているため、ジャケットを脱いでシャツ1枚の姿でいる事は本来は恥ずかしい姿という認識が有り、ジャケットを脱ぐ場合は、ベストを着用するのが本来の着こなしでした。

今の感覚でいうと、タンクトップ1枚で、繁華街などに繰り出す感じですかね?

シャツが肌着なので、その下に肌着を着るという事も本来はNGということになります。

胸ポケットは、肌着に必要なし?

ポケットに関しては、「無し」がクラシックの定義となります。肌着という立ち位置、人前でシャツ姿にならない、またベスト着用するという前提があり、ベストにはポケットがついている為です。

タンクトップやエアリズムにポケットついていても使わないですもんね。

素材

元々は、シャツに該当する衣服は紡績技術的にリネンが多かったのかなと思いますが、今では、より肌触りがよく光沢感もある、コットン100%が理想的です。

※ジャケパンスタイルにはリネン100%でももちろん良いかと思われます。

現代では技術発展により、合成繊維で「シワになりにくい」「ノーアイロン」等機能性素材がたくさんありますが、クラシックという点では、コットン素材、天然素材という点が重要なポイントとなります。

綿といっても、糸の太さによって様々な品質あり、細番手で作られた生地はシルクの様になめらかで肌触りもとても気持ちよく、生地が柔らかいため着心地にも大きく影響します。

若干話題が変わりますが、洗濯・クリーニングに関しては、高級なドレスシャツほど、下手にクリーニングに出すと、クリーニングによるほつれや、芯地周りのシワ、ボタン割れ等のトラブルが発生しやすくなる印象です。シャツ好きの方にはアイロンがけが好きな方も多い印象もあり、やはりホームクリーニングが間違い無いのではと思います。

定番とて、「白」「サックスブルー」「白地にブルーストライプ」この3種類があげられるかと思います。万人にも受け入れ安く、日本人にも最も似合う色ですし、ビジネスにおいても、スーツとのコーディネートにおいても間違いないかと思います。

ワイシャツという言葉の語源は、「ホワイトカラーシャツ」から来ているとも言われており、白においては素材や織り違いで何枚あっても良いものですね。

ちなみに肉体労働をする方の総称として「ブルーカラー」という言葉がありますが、これは、肉体労働に従事する人の制服などの衣類が青系が多かった事に由来するようです。汚れも目立ちにくく、比較的染色も楽だったのかもしれませんね。

衿型

衿に関しては、ワイドスプレッドカラー、ごく普通の衿型が良いです。

剣先の長さは7c、衿の高さは4.5c等、基本の定義もありますが、ここも体の大きさによって、最適なバランスは変わってきます。

ネクタイのノットがバランスよく収まる衿を選択するのが基本です。

その他に、スーツのゴージラインの角度と近いものを選んだりすることもあります。

ボタンダウンやカッタウェイ等は、カジュアルな衿型されていますが、ホリゾンタルカラーのように衿の開きが大きいものでも、イタリアのオーダーシャツメーカーでは、歴史ある衿型として展開されていたりするので、一概には言えない部分もございます。

前たて

表前立てと裏前立て、比翼の3種類になります。

比翼→裏前立て→表前立てと、よりカジュアルになっていきます。

カフス

大きくわけて、シングルカフスとダブルカフスがあります。

普段のビジネス仕様ですと、シングルカフスを用います。フォーマルな装いにはダブルカフスとなりますが、ダブルカフスの場合は、カフリンクスを使用するため、より華美になりますし、着こなし的にはアクセサリーが絡むのでより高度になります。

ボタン関連

上記画像は、前立てのボタン画像になります。下のボタンは一番下のボタンになりますが、横向きにボタンホールが開けられております。横向きに開ける事により、縦の動きを制する事により、左右の縦ズレを防止できます。また、腰回りの位置にくるボタンですので、横向きのゆとりの調節にもなります。

ボタン位置に関しては、身長によっても変動しますが、6c~6.5cが一般的です。弊社の基本は6.5cとなっております。

ボタンの素材は、「貝ボタン」になります。厚さ4mmがクラシックとされている様ですが、昔は薄くする技術がなかった為、厚いものを使用していた様です。現代では、2mmや3mm厚が多く使われております。4mm厚ボタンは少し留めづらくなりますが、シャツの表情に奥行きが出ます。

貝ボタンにも、高瀬・黒蝶・茶蝶・白蝶とありますが、白蝶が一番高価なものとなります。

ネーム刺繍

ネーム刺繍はさり気なく入れるというのがクラシックになります。

上記画像の様に右のお腹あたりに、1文字5mm四方程度のイニシャルで、色はネイビーで入れる。ベスト着用が前提としてあるので、お腹部分は隠れてしまいますのであくまで自分だけがしっている喜びを感じるのが粋ということですね。

最後に

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

以上如何でしたでしょうか。ディテールについて簡単ですが、纏めさせて頂きました。

この辺のルールに関する話や、クラシックに関する話は、あまり言い過ぎると「野暮」な領域である気もします。。

あまり、ルールに縛られず、装いを楽しむことが大事だと思います。

そんな装いのご参考に少しでもなれば幸いです。