こんにちは。テーラーズワールド編集部の小菅です。
オーダースーツの世界で、欠かすことのできない主役といえば「ウール」ですよね。
しかし、私たちが日々身に纏っているそのホワホワの毛が、一体どのようにして採られているのか……。実は今、世界中でその「プロセス」が問い直されています。
今回は、これからのスーツ選びの基準になる「環境問題」や「動物愛護」に関するキーワードをご紹介します。
1. 「ミュールジング」という現実をご存知ですか?
皆さんは「ミュールジング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは、羊への寄生虫繁殖を防ぐために、幼い羊の臀部(おしり)の皮膚を切り取る処置のこと。多くの場合、麻酔なしで行われるこの行為は、動物愛護の観点から世界中で問題視されています。
実は私、恥ずかしながら最初は「おしりを切る…?」とピンときていませんでした。しかし、実際に検索して画像を目の当たりにし、とても衝撃をうけました。
そんな背景から、今、世界的に需要が高まっているのが「ミュールジング・フリー(ノンミュールジング)」のウールです。
PICK UP:環境に配慮した「EVERWOOL」
弊社で取り扱っている御幸毛織さんの「EVERWOOL」シリーズは、まさにこのノンミュールジングウールを使用した、地球にも動物にも優しいコレクションです。
2. そもそもウールは「地球を救う」エリート素材!
少し重い話をしてしまいましたが、本来ウールは非常にサステナブルな素材です。
- 100%土に還る: タンパク質でできているため、生分解性があり、最終的には土や水に還ります。
- 「ゴミ」を「資源」へ: 弊社が取り扱うニッケ(日本毛織)さんでは、なんと捨てられてしまう羊毛を土に埋め、100%有機肥料「ラナリン」を製造されています。
この肥料でブドウを育て、ワインを作るというユニークな取り組みからもわかるように、ウールは、服としてだけでなく、地球を豊かにするサイクルの一部なのです。

3. まだまだある!ウールの最先端キーワード
ウールの可能性は、さらに広がっています。
- リジェネラティブ農業(環境再生型農業)単に環境を守るだけでなく、放牧を通じて土壌を健康にし、二酸化炭素の吸収量を増やす試みです。羊が歩くことで、地球が元気になります。
- リサイクルウール(サーキュラーエコノミー)丈夫なウールは再生しやすく、古着をもう一度糸に戻す技術も進んでいます。
羊って本当にすごいですよね。生きているだけで土を肥やし、温かい毛を分けてくれる。そんな愛すべき存在だからこそ、私たち人間も「短絡的な効率」ではない選択をしていきたいものです。
4. 信頼の証「認証マーク」で見分ける
「環境に良いものを選びたいけれど、どう見分ければいいの?」という方へ。
生地を選ぶ際、以下のマークや名称が入っていれば、それは動物と地球への配慮がなされている証拠です。

| 認証名 | 内容 |
| RWS (Responsible Wool Standard) | 羊の福祉(ミュールジング禁止)と土地管理を保証する世界基準。 |
| GOTS (ゴッツ) | オーガニック繊維の代表格。環境だけでなく労働環境も守ります。 |
| ZQ認証 (ZQ Merino) | ニュージーランド発。アニマルウェルフェアと社会的責任の最高峰。 |
まとめ
生地選びのポイントは、産地や織り方だけではありません。
「その1着が、どこから来て、どう作られたのか」。
環境や動物にまで思いを馳せることで、仕上がったスーツへの愛着はより一層深まるはずです。
弊社もCSR活動の一環として、これからもこうしたSDGsな取り組みを発信し続けてまいります!

2025年4月入社の小菅です。一人前になれるように修行中です。
マヌルネコが好きです。

