TAILORS WORLD 新人編集部員の小菅です。

6月5日、アイリス株式会社様の工場見学に伺いました。第一弾は【ポリエステルボタン編】として、製造工程をご紹介します!

普段使っているボタンが、どのように作られているのか…必見です。


ポリエステルボタンはどこで作られている?

ポリエステルボタンの製造は、群馬県の尾島工場で行われています。
案内してくださったのは、気さくでわかりやすい説明をしてくださった増田さんです。

まずは、ポリエステルボタン製造の簡単な流れをご紹介します。


ポリエステルボタンはこうして作られる!

ポリエステルボタンの製造方法には、大きく分けて2種類あります。

  • 棒管法(棒状から作られるタイプ)
  • 遠心成形法(板状から作られるタイプ)

板状の製造工程では、まずポリエステルの原料に補助剤・着色剤を加え、「遠心成形機」と呼ばれる筒状の装置に投入します。
この遠心成形機は、洗濯機のように大きなドラムが回転する仕組みです。

中の素材がグミのような硬さになるまで冷却し、固まったら型抜きを行います。
ボタンの厚みは材料の規定の量で調整されており、狙った厚みに自在に調整できます。

棒管法での製造では水牛風のポリエステルボタンの製造を見学させていただきました。
このとき使われているのが、アイリスさんオリジナルの専用機械!
見学時には、ちょうど新しい柄の研究開発が行われていました!

冷却・加熱・切断を経て、最終的に選別機へ送られます。


突然ですが、ここでクイズ!

Q:ポリエステルボタンのメリットとは?

答えは…
“「色落ちしないこと」”です!

ポリエステルボタンは色を素材に練り込んで作るため、時間が経っても色が落ちません。
一方、本物の水牛ボタンは表面に塗料を吹き付けるため、時間が経って色落ちする可能性があります。
ポリエステルと本水牛のどちらの良さもわかり、新視点でした!


削って仕上げる「形」の世界

選別された素材は、専用の刃物で削りながら成形されます。
ボタンの穴を開けるのはもちろん、刃の形を変えることでさまざまな形状のボタンに仕上げることが可能です。

増田さんは「ボタンの角を落とす」ことで、光の反射によって美しく見えると教えてくださいました。ボタンに入る光までこだわっているとは驚きです。

実際にアイリスさんのボタンを見てみると、斜めに削られた面取りが施されているのが分かります。購入された際は、ぜひこだわりが詰まった細部にも注目してみてください!

https://www.apparelx.jp/item.php?itemid=1063788 (アイリスさんのエクセルボタン)


いよいよ最後の仕上げ

次に行われるのはレーザー加工。
この段階で文字やロゴが刻印されます。金型で作るのではなくレーザーを使うことで小ロットでも対応できます。

続いて研磨工程に入ります。

樽型の機械に入れて約15時間回転させ、その後ワックスなどを入れて、さらに15時間回します。

合計30時間の研磨で、美しい仕上がりに!


検品と袋詰め、そして出荷

最新の自動検品機が導入されているほか、ナット風や貝ボタンなどの一部のボタンは、職人さんによる目視での丁寧な検品が行われています。

その後袋詰めを経て、1日でおよそ400万個のボタンが完成します。


こんなところにも!?アイリスさん制作グッズ

この長年培ったボタン製造の技術はいま、グッズ制作にも応用されています。

例えばパーキングエリアなどで売られている「だるまにゃんこキーホルダー」や、

アイリス様 公式HPより

他にもスマホライトの上に乗せて癒しを感じることのできる「Temari」など、一味違う製品もあります!

アイリス様 公式HPより

気になった方はぜひアイリスさんのHP https://iris-pro.com/ にてご確認ください!

✂ まとめ

本物の質感をポリエステルで再現するための、さまざまな工夫を間近で見ることができました。

さらに、ボタン製造の技術を応用して多彩な製品を手がけるアイリスさんの意外な一面にも触れ、その圧倒的なスケールに驚かされました!

次回もどうぞお楽しみに!😀

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